Samsung One UI 9正式版が登場。Galaxy AIは文脈を読み、折りたたみ端末はもっと使いやすく

Samsung One UI 9の安定版アップデートが本格的に始まり、S26シリーズをはじめ、最近のモデルや一部の旧モデルにも広がっている。画像:Samsung公式素材。
スマートフォンのOSを家にたとえるなら、One UI 9は壁を全部壊して建て直したわけではない。よく通る動線を、使いやすく整えたアップデートだ。メッセージの途中から、そのまま予定を入れる。イベントを撮り終えたら、フレーム単位で編集しなくてもいい。毎日見る情報は、自分の習慣に合わせてブリーフィングにまとめられる。
今回の主役は「新しいチャットボット」ではない。Galaxy AIが、いま起きていることに近づいたことだ。SamsungはAndroid 17、AI機能、折りたたみ画面への最適化、Knoxのプライバシー保護を、ひとつの体験にまとめた。
結論から言うと、アプリを切り替える回数が減るアップデート
One UI 9の変化は、日々の小さな場面でよくわかる。メッセージで友人と週末の予定を話していれば、カレンダーの確認や共有位置情報の保存といった次の操作を提案してくれる。人混みの中でパフォーマンスを撮影すれば、選んだ人物を中央に置いた縦動画へ自動で切り出せる。スマートフォンを開けば、Now Briefが天気、健康、予定、動画などを編集可能なカードにまとめてくれる。
共通しているのは、先に「どのアプリを開こう」と考えなくていいこと。目の前の用事から始められる。もちろん、AIが読み取れる内容や、インターネット接続・Samsungアカウントが必要かどうかは、モデル、地域、言語によって異なる。すべてのGalaxyで同じように使えるわけではない。
体感しやすいGalaxy AIの4つの進化
Now Nudge:会話の続きから、次の操作へ
One UI 9で「文脈に応じたAI」を最も端的に示すのがNow Nudgeだ。表示中の画面と進行中の作業をもとに、次にできることを提案する。Samsung公式の例では、会話が予定の話に移るとカレンダー確認の案内が表示される。分割画面を使い、会話を見ながら予定を追加することもできる。
その場で使ってみると、単にアシスタントを呼び出すより自然だ。背景をもう一度説明する必要はない。いま何をしているのかをAIが読み取り、役立ちそうな操作を目の前に出してくれる。ただし、すべてを勝手に進めるわけではない。重要なステップは自分で確認する。信頼しやすい設計だ。

Now Nudgeはメッセージ、カレンダー、マップをつなぎ、アプリを行き来する回数を減らす。画像:Samsung公式素材。
My FanCam:まず全体を撮る。主役はあとで選ぶ
My FanCamは、イベントやコンサート、集まりの撮影に向いた機能だ。撮影時は広角でシーン全体を収め、あとから人物をひとり選ぶ。システムがその人物の動きを追い、主役を中央に置いた映像へ切り出す。必要に応じて、画面比率も調整できる。
現場で撮るとき、人物がどこへ動くかは予測しにくい。最初からひとりにカメラを固定すれば、周囲の出来事を逃しやすい。全体を撮って、構図はあとで決める。多くの人にとって、手作業で編集するよりずっと楽だ。利用できるかどうかは動画の内容と端末の対応状況による。追跡できる被写体がなければ、切り出しを完了できない場合もある。
Photo Assist:写真の編集を、ひと言で
Photo Assistは、写真編集に自然な言葉を持ち込む。長いツール一覧から「削除」「明るくする」「構図を変える」といったボタンを探す代わりに、仕上がりをそのまま伝えればいい。Galaxy AIが指示に合わせて写真を調整し、元の写真と編集後の写真を並べて見せてくれる。
たまにしか写真を編集しない人ほど使いやすい。すべてのツール名を覚えなくても、「背景の人を消して」「主役をもう少し明るく」と話しかけるところから始められる。ただしSamsungは、AIが生成した結果が完全に正しいとは限らないと注意している。出力に見える透かしが入る場合もあるため、元ファイルは残しておきたい。

カバースクリーンは、通知を見るだけの細い窓ではない。ここから、もっと多くのことができる。画像:Samsung公式素材。
Now Brief:毎日見る情報を、自分で決める
Now Briefはもともと、日々の情報をひとつに集める機能だった。One UI 9では、生成型で編集できるカードが加わった。健康、天気、動画などから必要な項目を選び、興味や生活リズムに合わせてブリーフィングを組み立てられる。カードのショートカットから、音楽、カレンダー、ナビゲーションを直接開くことも可能だ。
すべてを積み上げる従来の通知センターとは違う。「今日、本当に使いそうな情報」をひとつの入口に置こうとしている。予定が多い人なら、通知をひとつずつ消すより手早い。あまり頻繁に邪魔されたくない人は、まず表示内容と通知権限を調整してみるといい。
AIだけではない。翻訳、録音、サポート機能も更新

システムがカバースクリーンの比率に合わせて壁紙の構図を調整。時計やウィジェットで大事な部分が隠れない。画像:Samsung公式素材。
発表会で大きく取り上げられなくても、日々の定番になりそうな細かな改善もある。
- Now Briefのセキュリティ概要: Security Briefが、マルウェア、提供元不明のアプリ、不要な権限などの警告をひとつの画面にまとめる。
- 通話と翻訳: InterpreterにThread Viewが加わり、これまでの会話の流れを振り返りやすくなった。Conversation Modeの翻訳応答も速くなり、対応するGalaxy Budsと組み合わせれば遅延を抑えられる。
- 書類と録音: Document Scanが、曲がった本のページや折れ目のついた紙に対応。Voice Recorderの要約は、見出しや表などを使った構造化された形式で表示される。
- Creative Studio: カレンダーの誕生日やイベントが近づくと、テーマ画像や電子グリーティングカードの作成を提案する。
- Warranty and Care: 保証状況、端末の自己診断、修理見積もり、サービス予約、Samsung Care+の管理を、設定からまとめて見つけやすくした。
どれも一目で驚くような派手な機能ではない。けれど、解決している摩擦は同じだ。情報がアプリごとに散らばり、やりたいことはわかっているのに、いくつも入口を探さなければならない。One UI 9は、その入口を少し近づけた。
折りたたみ画面:カバースクリーンは、もう緊急用の小窓ではない
One UI 9はGalaxy Z Fold8 Ultra、Galaxy Z Fold8、Galaxy Z Flip8で登場した。折りたたみ端末への対応が大きな柱になるのは当然だ。Samsungによると、大型のインテリジェントカバースクリーンはメイン画面のように使える。下端から上へスワイプしてアプリトレイを開き、上端から下へスワイプして通知やクイックパネルを表示。ウィジェットもその場で移動、追加、削除できる。
Z Fold8では、内側と外側の画面比率が動画や記事の内容に合わせて切り替わる。内側の画面は2分割、3分割に対応。資料を見ながら返信したり、メモを取ったりする使い方に向いている。壁紙の設定も賢くなった。時計やウィジェットに被らないよう主役を移動し、必要なら画像上部の空白も補ってくれる。

AIの相棒がいれば、毎日はもっとクールになる。
AIが何をしたのか、One UI 9なら見える

My FanCamは広角映像を、主役を中央に置いた追跡ショットへ変える。SNSにそのまま共有できる。画像:Samsung公式素材。
AIが代わりに操作できることが増えるほど、何をしたのかをはっきり示す必要がある。One UI 9には「AIアシスタントのアクティビティ」ページが加わり、Galaxy AIがアクセスしたアプリ、実行した操作、その時刻を一覧で確認できる。AIの操作履歴と考えればいい。あとから見直せるから、バックグラウンドで動く見えないブラックボックスにならない。
「AIプライバシーアラート」は、見落としやすい2つのリスクを端末上のAIで監視する。アプリが正確な位置情報へ過剰にアクセスしていないか。バックグラウンド実行の権限を不合理に求めていないか。システムは、機微なデータが使われている可能性を示し、権限を減らす方法を提案する。すべてのリスクをカバーするわけではない。それでも、設定の奥に埋もれがちな権限管理を、理解しやすい場所へ引き出してくれる。
SamsungのKnox VaultとKEEPは、個人データを端末上で暗号化して保存する。Galaxy AIでは、端末内で処理するか、クラウドへ送るかも選べる。どちらにもトレードオフがある。端末内処理はプライバシーと応答の速さを優先しやすい一方、一部の機能に制限が出ることがある。クラウドならより完全なモデルを使えるが、ネットワーク接続とデータ転送にはいっそう注意が必要だ。
アップデート時期:すでに届いた端末、まだ待つ端末

マルチウィンドウとショートカットの改善で、開いた折りたたみ端末がモバイルワークスペースに近づく。画像:Samsung公式素材。
2026年9月22日時点で、確認できる展開状況は次のとおり。
発売時からプリインストール: Galaxy Z Fold8 Ultra、Galaxy Z Fold8、Galaxy Z Flip8は、One UI 9を搭載して出荷される。
最初の安定版アップデート: Samsungは9月17日、Galaxy S26、S26+、S26 Ultraへの安定版の配信を開始した。IT之家とYahoo香港はいずれも、これらを市場投入済み端末の初回対象として報じている。
ベータ対象端末: Galaxy A25、A35、A36、A37、A55、A56、A57に加え、S23、S24、S25、Z Flip6、Z Flip7、Z Fold6、Z Fold7などが、One UI 9.0 Betaプログラムの対象に含まれていた。安定版の時期は、地域とテスト結果によって変わる。
この一覧は、すべての地域に同じ日に届くという意味ではない。Samsungも、利用できる機能やコンテンツは国・地域、端末モデル、One UIのバージョン、言語、通信事業者によって異なると明記している。一部のAI機能にはSamsungアカウントやインターネット接続が必要だ。アップデート前には重要なデータをバックアップし、バッテリー残量とストレージ容量も確保しておきたい。何度も手動で確認するより、そのほうが確実だ。
なお、「什么值得买」の記事ページには「AIGC文章」と表示されている。そこには、より早い配信日や折りたたみ端末の機能に関する予測がいくつか含まれており、現在のSamsung公式ページとは完全には一致しない。そのため、この記事では予測を公式スケジュールとして扱わず、オンライン上の議論の一部としてのみ触れている。
Meydo。ポケットに入るAIの相棒

Photo Assistは文字の指示だけで写真を編集し、元の写真と結果を並べて比較できる。画像:Samsung公式素材。
Galaxy AIは、いま置かれている状況をシステムに理解させる。けれど、本当に役立つAIの相棒なら、必要なときにすぐ手が届くことも大切だ。

One UI 9の方向性は明快だ。操作はよりスムーズに、AIはより先回りして。形の違うGalaxy端末どうしも、もっと自然につながる。画像:Samsung公式素材。
Meydoは、寄り添い、会話し、日々を手伝う力をポケットに入れる。大きな問題が起きるまで思い出さなくていい。何かを調べたいとき、考えを整理したいとき、少し話したいとき。すぐそばにいる小さなAIの相棒から始めればいい。
最後に。One UI 9の価値は、スマートフォンに邪魔される回数を減らすこと
One UI 9は、スマートフォンを完全自動のブラックボックスにはしない。慣れた操作の隣に、文脈を読める手をもう一組添えるようなものだ。会話が予定の話になれば続きを促す。撮影後の動画なら構図を整える。朝には本当に必要な情報をまとめる。AIが何をしたのかも、きちんと記録する。
毎回、劇的に新しく感じるアップデートではないかもしれない。それでも、一日の中で邪魔される回数は少し減る。Galaxyのエコシステムに慣れている人にとって、One UI 9の魅力は新機能の一覧だけではない。AI、折りたたみ画面、プライバシー設定が、同じ考え方で連携し始めたことにある。自分のモデルにいつ届くのか、どの機能が使えるのかは、「設定 > ソフトウェア更新」と、地域のSamsung公式案内を確認してほしい。
情報・画像提供元:Samsung中国 One UI 9公式ページ、IT之家「Samsung One UI 9安定版を配信:Galaxy S26シリーズが初回対象、Z Fold8はプリインストール」、Yahoo香港/PC3「SamsungがOne UI 9の配信計画を開始。第1段階ではGalaxy S26シリーズを更新」、搜狐/CNMO「Samsung One UI 9の4大AI機能と対応モデルが判明」、百度百家号「Samsung One UI 9安定版の初回配信:S26シリーズと折りたたみ端末が先行」。一部の機能にはSamsungアカウント、インターネット接続、特定言語への対応が必要。AIの出力には誤りが含まれる可能性があり、実際の能力は正式版に準拠する。
